
映画が終わったら、エンドロールを観ないですぐに映画館を出なければ間に合いません。
ですが、火葬をするのですから骨壷を持参です。
私と娘は「映画館に着いたとき、結構時間の余裕がある」とおもうほど早めに出発しました。そして映画館が入っているデパートで骨壷(に、ふさわしいもの)を買う事にしました。ところが街に近づくにつれて道路が込み始めてきました。そして空いていれば数分で到着するというあたりではすっかり渋滞に巻き込まれてしまいました。おまけにデパートの駐車場は満車でいつ入れるかわかりません。そこでデパートの周りを回りその辺の有料駐車場に入ることにしました。まもなく見つかりましたが、並んでいた前に車が入ったとたん「満車です。しばらくおまちください」というアナウンス。母娘で泣きそうになりました。
やっと駐車場に入れたときにはすでに「映画開始5分前」
こういう時ってエレベーターさえ遅いし混むのよね。もうあちこち探している暇はないので映画館の下の階にガラスやら瀬戸物類のそれも「少女趣味可愛い系」の売っているお店があるはずでしたのでそこへ行きました。目指すは『ふた付きマグカップ』。目標を決めておけば探すのは早いですから。二つ目のお店で見つけてあとは映画館へ。
いつもはポップコーンやジュースを買い込んで入館するのですが、買ったのはパンフだけ。
最後、バルボッサが出てきたのには大変驚かされましたがゆっくり驚いている暇もなく即効で駐車場へ。エンジンかけて車内の時計をみれば午後2時08分。え“~~~~。私の予想では1時20分くらいに終了だったはずΣ( ̄□ ̄; どうがんばったって1時間じゃ隣りの隣りの隣りの町にある我が家に戻ってりゅうびを車に乗せ、隣りの隣り町の町外れにあるゴミ処理施設には行けそうにありません。
しょうがない。娘に頼んで処理施設に電話をかけてもらって遅れる旨話しました。それでも飛ばしました。っていうか気が付くと結構なスピードになってしまっているんです。いつもだとこんなに飛ばしたことないのですが。りゅうびのことを思うとついアクセルに力が入るのですね。涙を拭きながら事故も起こさず約100キロ飛ばしました。
(この日、往復約200キロ、夢中で運転しました)
そしてやっと処理施設に到着しました。予定より30分以上遅れています。
受け付けに行き話しをすると「電話を受けた人がいいと言ってしまったようですから、しょうがないですけど、本来は犬ネコだけなんですよ。云々・・・」というようなことをグズグズ言うんです。グーで殴りたかったのをぐっとこらえました。
さて、教えられた場所へ行くとそこは施設の隅にある小さな建物で小さく字が薄くなった看板には「動物焼却・・・・・」と書いてあります。
焼却の文字に娘はショックを覚えながらも中に入っていきましたら、作業服を着たおやじが居て床を指さすと「そこへ置いて」といいます。なんで冷たいコンクリートの上なんぞに置かねばならん?と、抱いたままにしておりましたら、はみ出しているりゅうびの尻尾を見て「それは何」と言います。
「尻尾です」
「え?・・・・ネコじゃないんですか?」
「イグアナです」
「え?ありゃ・・・イグアナって噛み付くんでしょう?」
「おとなしいです。(死んだイグアナが噛み付くか。だーほ)」
「だってねぇ・・鰐と同じでしょう?」
と、なんだかんだ無神経なことを言ってきます。
あげく、「骨は明日以降取りに来て」と言います。
仕事があるのですぐ焼いてほしいといいますと、またグズグズといい始めます。
私は悲しくて悔しくて悲しくて悔しくて泣くしかありませんでした。
私の変わりに娘がそのオヤジの質問に答えておりましたが。
本当に「静かなお別れ」ができなかったんです。
そしていよいよ死者を乗せる台がひきだされ、娘がそっとりゅうびを乗せました。
大きさこそ違いますが、人間の火葬台とほとんど同じで、人間の場合は棺が乗せられるわけですが、動物だと飼い主が持ってきた状態のまま乗せます。うちではりゅうびが寛いでいたペット用マットと寝るときに使っていたマットに2重に包んで寝かせました。
その時にもおやじは小声でグズグズ言っておりましたので(こいつもいっしょに釜に入れちまおうか)とおもったほどでした。
1時間半後、まだ熱いりゅうびの骨をふた付きマグカップに入れると家路につきました。
りゅうびが亡くなって3日後、りゅうびのことでは大変お世話になった方からお花が届きました。そのとき、大変なことに気づきました。私はりゅうびに花をひとつも飾っていなかったのです。何を考えていたのやら、りゅうびに飾っていたのはイグアナをこよなく愛する人たちが送ってくれたブルーベリーと菊の形の落雁と中に砂糖が入ってメロンや葡萄をビニールで作った通称「お供砂糖」。
そりゃあんた、盆棚に飾るもんだろうが・・・盆にはまだ早いし、第一りゅうびの場合、新盆は来年だ。(死んだ日からお盆まで49日以内の場合は来年になっちゃうのよね。)
な~んにも考えていなかったというか考える余裕がなかったというか・・・・・
その後、何日かは骨壷を撫でるだけでウルウルとなりました。冷蔵庫の野菜室にはしなびてしまった小松菜やチンゲンサイ、思いっきり完熟してしまったメロンが半分、一口サイズの煮かぼちゃ、イグアナをこよなく愛する人達から送られたブルーベリーなどがあり、これらを眺めただけでまたウルウルとなっていました。
ですが、このごろはあまり泣くことはなくむしろ元気だったころのりゅうびをよく思い出しています。
ただいま~と帰っていくと、西日を浴びてデレーっと伸びている姿や、料理をしている足元で何をするでもなくただ鬱陶しく邪魔している姿等等、、、
今、思います。
りゅうびには本当にたくさんのことを勉強させられました。
何度か夢をみました。横向きで寝ている私の肩に両手を置きなにやら言いたそうにしているんです。それから隣りに前と同じように寝ているんです。
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